ソーシャルゲーム(に限らずアプリ全般)のKPI分析講座、第2回目は「DAUを狂わすノイズ編」と題してお送りします。
第1回目の用語解説編は下記をご覧ください。
【KPI分析(第1回)】用語解説編
さて、前回の用語解説の中で、DAU(daily active users)という1日にそのアプリを使用した人数という値があったかと思います。
DAUという値は、売上を算出するのにも使用しますし(売上=DAU×ARPPU)、ごく一般的で各社共通の指標なので、用いられることは多いです。また、偉い人とかがこの値で一喜一憂したりする極めて重要なKPIです。
ですが、DAUという値は、広告などのブースト施策などを行うと急激に増えるし、翌日には急激に減ってしまうなど、あまりにも変動が大きい値です。
純粋にゲームを楽しんでくれているユーザーが何人いるのか、ゲームバランスやバグなどで離脱してしまっているユーザーはいないか、などの分析をするにはノイズが多すぎて信頼性に欠けてしまいます。
そこで、DAUに代わる
アプリの使われ具合がわかる別の指標が必要になってくるのです。
まずは、そもそもDAUに含まれるノイズって何?ってとこですが、下記のようなものが考えられるかと思います(
ドリコムさんのslideshareを参考にさせていただいています)。
<ホワイトノイズ>
- 遊んでないけどアップデートされてたから起動してみた
- 通知のバッジを消したくて起動だけした
- ログインボーナスや補填の課金アイテム目当てで起動してみた
- 休日で暇すぎるから起動してみた
- メンテナンスやサバ落ちなどで起動できなかった
<スパイクノイズ>
- 広告出稿してインストール数急増
- テレビCM開始してインストール急増
- 他タイトルとのコラボキャンペーンでインストール急増
ホワイトノイズはユーザの気まぐれが起因します。このノイズによるDAUの増減にはまったくといっていいほど意味はありません。このようなノイズを取り除いたきれいなデータが必要です。
また、スパイクノイズは広告出稿などにより一時的にDAUが急増する事を意味します。それにより、ARPU(ユーザ一人あたりの平均課金額)は激減します(インストールしたばかりのユーザは基本的には課金しないため)。これでは、純粋にゲーム内の施策が成功しているのか判断がつきません。なので、このようなスパイクノイズも取り除く必要があります。
今回は簡単ですがここまで。
次回は実際に各社がどのような数値をアプリの使われ具合の指標にしているかを書いていきます。